サティシュ・クマール氏の人生と信念を描いたドキュメンタリー映画の上映会を2025年1月26日(日)に港区エコプラザで開催しました。映画を通じて社会課題を受けとめ、感じたことや気づきをシェアし、新しい一歩につなげていく上映会の定期化第一弾です。
1. 小さな行動の積み重ねがもたらす未来
現代を代表する思想家・平和活動家サティシュ・クマール氏は、冷戦の最中、核兵器廃絶を訴えインドからアメリカのワシントンまで2年半をかけ約1万3,000km)の平和巡礼を行いました。世界を変えるには、自分たち一人ひとりが変わり、小さな行動を積み重ねていかなければならないと語ります。
「1人1人ができることは小さいけれど、たくさん集まることで、大きなパワーを生み出そう」というハチドリーズのコンセプトとも重なるこの考え方は、環境問題などで分断が進む現代の私たちに重要な示唆を与えてくれます。
2. 見返りを求めない根源的な愛
映画のタイトルでもある「ラディカル・ラブ」は、見返りを求めない最も深い愛、自然・人・自分自身への根源的な愛を指します。自然は「有益なもの」だから守るのではなく、私たち自身が自然の一部であり、根源的な愛で自然とつながることが本来の在り方であると訴えるサティシュ氏。その主張は、サステナブルな世界とは何か、サステナビリティの意味について考えさせてくれます。

サティシュは、経済学者シューマッハの「スモール・イズ・ビューティフル」にインスパイアされ、持続可能な未来を創るリーダーを育てることを目的にシューマッハ・カレッジを設立。学生たちが料理や農作業を通して「持続可能な暮らし」を実践し、自然やエコロジーについて学んでいます。映画ではサティシュ自らも学生と料理する姿がありました。
3. NVC(非暴力コミュニケーション)による対話セッション
映画上映の後はNVCをベースとした対話セッションの時間です。NVC(Nonviolent Communication)とは、自分の感情や大切にしていることを整理しながら、自己表現をしつつも相手を尊重するコミュニケーション。ワークシートで自分自身と向き合い、4つのグループに分かれてワークシートに書いたことをシェアしました。
「世界を変えていくなら、自分がまず変わらないといけない」「自分が種になる」というサティシュの言葉に心を動かされる人が多くいました。一方で、変化に対して「心配・不安」「覚悟を持つことができるか」という正直な気持ちも語られました。
参加者同士がさまざまな感情をシェアし、共感し合う場が作られる中で、「〇〇さんに連絡をとってみる」「周りに学びをシェアする」「市民農園を探す」「ベランダ栽培を始める」など具体的なアクションにつながっていくプロセスが見られました。

4.「お茶」で自然とつながる体験
当日は、ハチドリーズのメンバーで、株式会社アイクリエイト代表取締役の粟田あやさんが有機栽培のお茶を振る舞ってくださいました。
サステナビリティプロジェクトの支援を行う株式会社アイクリエイトでは、消費者に自然とのつながりを感じるきっかけを提供することを目的に、有機栽培で大地の再生に取り組む農家を応援するプロジェクトに取り組んでいるそうです。参加者全員で緑茶やミントをブレンドしたすっきりとした味わいのお茶を楽しみました。

リラックスした雰囲気で心を開いて対話することを重視するサティシュは、お茶を飲みながら対話することを大切にしているそうです。私たちもゆっくりとお茶を飲みながら学びの時間を共有しました
- 2月上映会&シェアリングは「ミッション・ジョイ」
世界的な精神的リーダーであるダライ・ラマ14世と、アメリカの公民権運動を象徴する存在である故デズモンド・ツツ大司教の友情と対話を描いたドキュメンタリー映画の上映会&シェアリングを開催します。
【日時】2025年2月24日(祝・月)13時30分~16時 (受付は13時15分~)
【場所】港区エコプラザ 3階会議室A(東京都港区浜松町1丁目13−1)